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よくあるご質問

各種損害賠償請求のよくあるご質問
Q.1
 損害賠償請求にはどういうものがありますか。
A.1

 大きく分けて債務不履行に基づく損害賠償請求と,不法行為に基づく損害賠償請求があります。 債務不履行に基づく損害賠償請求は,契約関係にある中で一方が義務を果たさなかった結果,相手方に損害が発生したときに損害の賠償を請求するものです。例えば,ある部品の納品を発注したところ,納期に間に合わず,その部品を使って製品を売り出す予定だった業者に損害が生じた場合,その損害の賠償を部品納入者に請求する場合です。
 不法行為に基づく損害賠償請求は,契約関係に基づかずに過失や違法性が認められる不法行為を行った者に,損害賠償の請求をする場合です。
 例えば,交通事故では加害者と被害者との間に元々契約関係があるわけではなく,加害者が何らかの交通ルールに違反したことを不法行為と見て,被害者が加害者に損害賠償請求をすることができます。
 医療過誤で患者が被害を被った場合,医療機関と患者との間では診療契約が締結されていると考えるので,適切な医療を提供する診療契約に違反したとして,債務不履行に基づく損害賠償請求をすることが可能です。他方,医療行為を行った個々の医療従事者と患者との間には診療契約が締結されているわけではありません。ですので,個々の医療従事者に損害賠償請求をする場合には,不法行為に基づき損害賠償請求を行うことになります。

Q.2
 夫が別の女性と浮気の末,家を出てその女性と生活するようになりました。妻の私は夫や女性に損害賠償請求をすることはできますか。また,夫との間に未成年の子がいますが,夫や女性に損害賠償請求をすることはできますか。
A.2

■ 配偶者及び浮気相手への損害賠償請求

 夫婦は互いに他の異性と関係をもってはいけない義務を負っています。
 それに違反した場合,他方の配偶者が負った精神的損害に対し,損害賠償をすべき義務を負います。
 また,浮気相手は上記義務違反を一緒に犯したものとして,共同して損害賠償をすべき義務を負います。判例では次のように述べています。
 「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。」(最高裁判所昭和54年3月30日判決)
 ただし,夫婦の婚姻関係がすでに破綻していた場合、判例は、「夫婦の一方と第三者が肉体関係をもった場合において、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していたときは、特段の事情のない限り、第三者は夫婦の他方に対して不法行為責任を負わない。」としています(最高裁判所平成8年3月26日判決)。その理由として、「夫婦の一方と第三者が肉体関係を持つことが夫婦の他方に対する不法行為となるのは、それが婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する行為と言うことができるからであって、夫婦関係がすでに破綻していた場合には、原則として、夫婦の他方にこのような権利または法的保護に値する利益があるとは言えない」ことを挙げています。

■ 未成年の子による親及びその浮気相手への損害賠償請求

 未成年の子の親が浮気の結果,未成年の子を顧みなくなった場合,未成年の子が親に対し損害賠償できるかという点については,しっかり確認していません。理屈上はあり得ない話ではないでしょうが,第一次的には,親の子に対する養育義務などの履行を求めていく場面であり,それを超えた慰謝料を認めるというのは例外的な場合となるのだと考えます。
 未成年の子による浮気相手への損害賠償請求については,前掲最高裁判所昭和54年3月30日判決は次のように述べ,例外的な場合を除いて,否定的に解しています。
 「妻及び未成年の子のある男性と肉体関係を持つた女性が妻子のもとを去つた右男性と同棲するに至つた結果、その子が日常生活において父親から愛情を注がれ、その監護、教育を受けることができなくなつたとしても、その女性が害意をもつて父親の子に対する監護等を積極的に阻止するなど特段の事情のない限り、右女性の行為は未成年の子に対して不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。けだし、父親がその未成年の子に対し愛情を注ぎ、監護、教育を行うことは、他の女性と同棲するかどうかにかかわりなく、父親自らの意思によつて行うことができるのであるから、他の女性との同棲の結果、未成年の子が事実上父親の愛情、監護、教育を受けることができず、そのため不利益を被つたとしても、そのことと右女性の行為との間には相当因果関係がないものといわなければならないからである。」

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