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弁護士コラム

 体験したこと,考えたことの中で,皆さんにお伝えして一緒に考えてもらいたい,(特に弁護士の)仕事の参考にしてもらいたいと思ったことを書きたくて,コラムのコーナーを設けました。どうぞ仕事中の箸休めにお読みいただけると幸いです。
  中には言葉の使い方が不正確・不適切なところもあるかと思いますが,その当時の自分の理解不足をそのまま示しているものと受け止めてください。

LGBT~少数者の人権を思う(2016年9月12日)

 LGBTについて最近メディアでよく取り上げられます。でも,私は別の世界の話と思っていました。むしろ,ゲイネタを飲み会での笑いをとるネタとして利用している口でした。

 先日偶然,ジャーナリストの北丸雄二さんの少し前の記事を目にしました。数年前の日本テレビの「24時間テレビ」のコーナーを取り上げた記事です。
「ドラマ『相棒』でもケイの監査官役でおなじみの俳優神保悟志さんがおネエキャラになり,嵐の大野智さんに半裸でマッサージをしながら迫るという『同性愛ドッキリ』の設定です。先輩芸能人に言い寄られて,後輩の大野さんがどう反応するか。それを24時間テレビのメイン会場が大笑いしながら見るという趣向のようでした。」

 「私はこれまで20年以上にわたり,性的少数者への偏見や差別や揶揄や侮辱をなくすよう機会あるごとに物を書き続けてきました。それがテレビでこういうのを放送されるたびに,それまでこつこつと築き上げてきたものがたった一度でごっそり根こそぎ大波にさらわれてしまうような気分になります。」 (「北丸雄二のニューヨークリポート」JASE現代性教育研究ジャーナルNo.18 2012年)

 ハンマーで打たれた気分でした。これまで自分では医療事故の被害者の被害回復に取り組み,少数者の人権保護に取り組んでいるものと思っていましたが,一方で別の少数者の人権には無関心。結局自分と価値観の異なる人は排除し笑いものにしてきただけではないか,と気付かされたからです。

 この記事を読んでLGBTの問題に取り組んでいこうとまで思ったわけではありません。ただ,自分の無知と思い上がりに気付かせてくれるには十分な記事でした。

 私がもしまた飲み会でゲイのネタで盛り上がろうとしていたら(そんなことないように心がけますが),近くに座っている方,耳元でも大声でも構いません,「少数者の人権!」と言ってください。

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